文学レビュー『パリ警視庁迷宮捜査班 魅惑の南仏ツアー』(ソフィー・エナフ)

以前ご紹介した、ソフィー・エナフ『パリ警視庁迷宮捜査班』(原題:Poulets Grillés)の続編です。
パリ警視庁内での問題児たちが集められた「特別班」が、刑事部を出し抜いて、事件の真相に迫る過程は痛快でした!
第一作目のレビューはこちら↓

第2作目となる今作は副題に「魅惑の南仏ツアー」と付いていますが、その通り。
パリで起こった第1の殺人事件と、南仏で起こった2件の事件が関連してきて、我らがアンヌ・カペスタン警視正が率いる「特別班」の面々が、南仏に出向きます。

とはいっても、南仏でのシーンはそれほど多くないのですが、前回同様、各人がそれぞれの癖があり過ぎる特技を生かして、捜査を始めていきます。

今回、特別班に事件の担当が回ってきたのは、殺されたのがカぺスタンの元夫の父親、つまり元義理の父だったからです。
しかも、義父は元パリ司法警察の警視正でした。
前作では、彼女の起こした事件のせいで、夫が出て行った、とだけありましたが、今回は元夫、ポールのことや、二人の関係性、出会ったきっかけ、夫婦愛なども描かれ、より彼女のプライベートに迫る内容となっています。

どうも、二人はちゃんと離婚していたのか分からないのですが、夫婦の絆は今でもあって、今回の義父が巻き込まれた事件によって、連絡を取り合ううちに復活する…かと思いきや!?

そもそも、なぜ義父は殺されたのか。
南仏の事件との関連性は何なのか。
「特別班」のとあるメンバーが隠していることとは?

事件の謎解きももちろん面白く、また、メンバーの丁々発止やり取りや、それぞれのクリスマスイブの過ごし方なども書かれ、事件の真相以外の部分も楽しく読むことができます。

今回、新たなメンバーも加わって、ますます個性を増す特別班。

爽快でもあり、ほろ苦くもある「迷宮捜査」第2弾をお楽しみあれ!

書籍レビュー文学
スポンサーリンク
スポンサーリンク
Kazuéをフォローする
フランス情報収集局

コメント

タイトルとURLをコピーしました