旧フランス大使館 最初で最後の美術展

東京・広尾にあるフランス大使館は、最近、隣に新しい建物を建て、古い庁舎はもうすぐ取り壊されてしまいます。
その古いほうの建物全体が、1月21日から約一ヶ月間だけ、アートと化しました。
「No Man’s Land」と名づけられたこの美術展は、団・DANというアーティストグループが企画したもの。
中身が移転し、誰もいなくなってしまった旧大使館の、すべての部屋、壁、廊下、階段、庭・・・あらゆる場所が現代アートに彩られました。

建物そのものにアートを施しているので、その場で創られたものがほとんど。70人ほどの国内外のアーティストが集まったというだけあって、見ごたえたっぷりです。

当初は1月31日までの1週間ほどの展示予定だったのが、好評のため、2月18日まで延期されたのです。
途中、パーティーやパフォーマンス実演、展示物の入れ替え、クレープリー出店をはさみ、相当盛り上がったよう。
私が行ったのは最終日で、かなりの人出でした。
旧フランス大使館の、奥のほうまで見学できる機会というのはこれが最初で最後。
1957年にジョゼフ・ベルモンが設計したという歴史的な建物だそうで、私も昔、ワーホリビザを取得するときにお世話になりました。

  

らせん階段に空中庭園、そして古さを感じさせる重厚感。日本の建物とは違うなあと思わせられます。
パリのシテ・ユニベルシテで見た、ル・コルビジェの建物にも似ていたなあ。

こんな味のある建物が取り壊されるなんてもったいない!

しかし、建物の屋上から隣の新フランス大使館を見ると、色鮮やかに光る噴水と、現代的な庁舎がたたずんでおり、セキュリティ等を考えたら、新しいほうが確かによさそうですね。
旧庁舎にはエレベーターすらなさそうだもの。

取り壊し前のわずかな間、生命を与えようというのは、フランスの思想でしょうか。
限られた期間だからこそ、より心に残るのかもしれません。

「ノーマンズランド」展
http://www.ambafrance-jp.org/spip.php?article3719

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