マチュー・アマルリック監督、主演、2010年の映画『さすらいの女神(ディーバ)たち』をレビューします。
アマルリックといえば、『潜水服は蝶の夢を見る』を思い出します。
片方の目しか動かなくなった男の役ですから、目だけの演技をしていたわけで、とても印象的でした。
今回は、元有名TVプロデューサーだけれど、どうもトラブルを起こして業界から追放されたらしい男の役。
アメリカで「ニュー・バーレスク」というショーダンスのプロデュースで成功し、ダンサーたちを引き連れてフランスに帰還したものの、過去の自分の行動をみんな許してくれてなくて、念願のパリ公演ができない。
さらに、息子たちと再会するも、関係がギクシャクして…という話お。
この、一見奔放でありながら、疲れ気味の男の役が、すごくはまっていました。
また、「ニュー・バーレスク」は、かなりふくよかな女性ダンサーたちの、お色気ショーなのだけれど、映画を見る側もたっぷりその魅力を堪能できます。
そこも見所。
ハリウッド映画でも『バーレスク』というのがあったけれど、全然違う。
こっちは、やっぱりヨーロッパの、フランスの映画だなーと思いました。
派手なショーを見せつつも、全編に、なんとなく寂しさが漂う、味わい深い作品です。
しかし、アマルリックには始終目が行ってしまいますね。
確かにハンサムだし、人気あるし。
なのに、なんとなく親しみあるような顔にも思える。
なんでかなあ、と見終わった後考えていて、日本の俳優、三上博史さんに似てるんだ! と思い当たったのですが、私だけでしょうか。
★『さすらいの女神(ディーバ)たち』
2010年製作/111分/R15+/フランス
原題:Tournée
監督:マチュー・アマルリック
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