現在、上野の国立西洋美術館ではラファエロ展が開催されています。
ダ・ヴィンチやミケランジェロと並ぶ、イタリアの巨匠。「大公の聖母」など、誰もを魅了する素晴らしい作品の数々。日本初公開のものもあり、見ごたえ十分。
これは、ちょっとでもルネサンス絵画に興味がある人なら誰でも足を運ぶでしょう。
ただ、もうひとつこの美術館で注目すべきは常設展です。
16世紀のフランドル絵画や、モネやピサロといった印象派絵画、ピカソやブラックらのキュビズム絵画、ロダンを中心とする彫刻などなど、美術ファン垂涎の作品がいつでも見られるのです。
しかも、写真撮影OK!!
ラファエロ展を見に行けば、その半券でこの常設展も見ることができます。
現在、ラファエロ展と同時に、この常設展の中で「風景」展というものが開催されているのです。
国立西洋美術館のコレクションの中から、風景をテーマにした素描にスポットを当てたもの。
素描って、下書きだったり、練習のためのものだったりすることが多いので、作品を生み出すまでのプロセスが垣間見られる気がしますよね。
果たして作家本人は公開したかったのかどうか、と思うものもありますが、後世を生きる私達には価値あるものです。
今回の展覧会では、モーリス・ドニ、シニャック、ブーダン、モロー、ゴーギャンなどのフランスの有名画家の素描がたくさん展示されていました。
他にもターナーや、私が知識不足で知らなかった画家の作品もあり、常設展の中の1コーナーとはいえ、充実していると思います。
特に私が目にとめたのは、シニャックの素描。
シニャックの油絵は、点を重ねて一つの画面を作る独特のものですが、素描は全く違っていました。
ちゃんとこういう下絵もあったんだなと、まるで、作家の秘密を覗いたような気分です。
話題性の高い企画展と、充実した常設展、そして普段は表に出ない美術館のコレクションの一部を、1枚のチケットで見ることができるのは、素晴らしいですね。
国立美術館だからでしょうか。
常設展は、企画展以上に展示スペースが広く、作品数も多いので、ラファエロ展と同時に見に行こうと思われている方は、十分に時間と、体力を取っておいたほうがいいです。
常設展の展示もたまに変わったり、新しい作品が入っていたりするので、以前見たことがある方も足を運んで損はないと思います。
ルーブル美術館の年パスを持っていた頃のように、もっと気軽に、何度でも良い作品を見られる環境が欲しいと思うこの頃です。
ラファエロ展も、エル・グレコ展(東京都美術館)も、ルーベンス展(Bunkamura ザ・ミュージアム)も、めちゃくちゃ混んでいるのだもの。
★「風景―国立西洋美術館素描コレクションより」展
2013年3月2日(土)~6月2日(日)
国立西洋美術館 常設展内
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2013landscape.html
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