映画レビュー『キリクと魔女』(Kirikou et la Sorcière)

ミッシェル・オスロ監督のアニメーション映画、『キリクと魔女』は、1998年にフランスで公開され、大ヒット。
数々の国際的な賞も受賞しています。
日本では、2003年にスタジオジブリによって日本語版が制作されました。
高畑勲監督が翻訳と演出を担当されています。

舞台はアフリカのとある村。
恐ろしい魔女のカバラが、村の男たちを食べてしまい、泉の水を枯らし、金を巻き上げるなど、村人たちを苦しめていました。

そこに生まれたのが小さな少年、キリク。
自力で生まれてすぐに勇敢さと頭の良さを発揮し、魔女に立ち向かい、村人たちを救います。

キリクに救われた直後は、「キリクの歌」を作って「キリクは大きくない、でも勇敢だ」と持ち上げますが、すぐにその恩を忘れてしまい、「チビ!」と言ってないがしろにするというのを繰り返します。

それでもキリクは、村を救い続け、やがて「なぜ魔女のカバラは意地悪をするのか」という疑問を解消するため、魔女の住む山の向こうにいる祖父である賢者に会いに行きます。
それは、とても危険な冒険でした。

勇敢ながらたくさんの「なぜ?」を抱え、ほぼ一人で奮闘するキリク。
カバラとの対立もさることながら、キリクをなかなか認めようとしない村人とのやりとりにこそ、困難さを感じます。
でも、そこに人間の本質の一部があるのでしょう。

終盤でキリクとカバラに起こる出来事は、とても意外なもので驚かされますが、素敵なファンタジーに仕上がっていると思います。

長いセリフが少ないので、フランス語の練習にもぴったりかもしれません。

日本語版の方は、キリクを当時子供だった神木隆之介さん、魔女のカバラを浅野温子さんが演じています。
DVD・ブルーレイには、高畑監督の指導の下、アフレコをするお二人の様子も特典映像として収められています。
スタジオジブリが推しているだけあって、ストーリー、映像、音楽などが心に響いてくるアニメーションです。


★キリクと魔女
1998年製作/71分/フランス
原題:Kirikou et la sorcière
原作・監督:ミッシェル・オスロ

フランス映画映画レビュー
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