品川にある原美術館で、現在、とても面白い展覧会が開かれています。
フランス人で、東京在住のニコラ ビュフさんのとてもモダンなアート展で、プレス向け内覧会に行ってきました。
ビュフさんは、小さいころに日本の特撮番組を見て育ち、成長してからそれらが日本の番組であることを知って、日本に興味を持ったのだそうです。
なので、彼のアート作品も、日本の特撮の世界観と、ヨーロッパの伝統文化を融合させたとてもユニークなものになっています。
今回の個展はストーリー仕立て。ポリフィーロという少年が冒険の末に少女を助けるが、それが実は夢だった、という話を背景に、美術館のエントランスから各ギャラリーを順番に回ることで、来訪者も少年の冒険を追体験できるというものです。
エントランスはオオカミの口。
ここから来訪者は物語の世界へと誘われます。
さらに、自分自身が映し出される鏡の扉を通り、紙芝居のビデオで冒険の説明を見てから、いよいよギャラリーへ。
最初の部屋で「ユニコーンの皮」と名付けられた作品で心奪われ、二階でヒーローの甲冑を目にし、いよいよ冒険が始まります。
来訪者自身がスクリーンに映し出されるという遊び心のある部屋や、テントの中に入れる不思議な瞑想の部屋など、参加型の展示で楽しんだあと、ポリフィーロが目撃したという「キューピッドの凱旋」が見られるギャラリーへ。
見るだけでなく、実際に体験しながら作品を鑑賞できるのが楽しいです。
そして、最後に来場者は、庭で眠っているポリフィーロを見つけることになります。
すべてが夢だった、という物語を締めるための演出として、美術館の庭まで使ってしまう。
館全体がこの展覧会の企画中、別の世界に入ってしまっているかのようです。
あちらこちらに、こんな遊び心がいっぱい。
階段の途中で見えるものも見逃さないように!
展示してあるものすべてに意味が与えられているのです。
この内覧会では、もちろん作者のビュフさんもいらっしゃって、作品の解説をしてくれました。
とてもハンサムで日本語が上手なフランス人アーティスト。
今後、飯田橋のアンスティチュ・フランセ東京(旧日仏学院)や、白金の山本現代でも、同テーマに基づく展覧会が開催されるようです。
原美術館での展覧会は6月29日(日)まで。
そうそう、会期中、妖精のドレスを来た「案内人」が現れるそうです。どんな妖精さんなのかは行ってからのお楽しみ。
さらに、6月からは子供向けのプレイルームもできるとか。子供連れでも楽しめそうな展覧会でした。
★「ニコラ ビュフ:ポリフィーロの夢」(原美術館)
2014年4月19日~6月29日
http://www.haramuseum.or.jp/
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