中欧旅行記（ウィーン３）

ウィーン滞在、そして中欧旅行もあと2日になってしまいました。
とはいえ、そのあとはフランス滞在が待っています。

この日は、ホテルから割と近いところにあったベルヴェデーレ宮殿へ。
ハプスブルグに長く仕えたフランス出身のオイゲン公という人が建てたもので、広大な敷地の中に、上宮（1716年）、下宮（1723年）の二つの宮殿があります。

上宮に近い南門から入ると、大きな池があって、宮殿の後ろ側が美しく水面に映っていました。
広くて綺麗だけれど、言うなればここは「裏庭」。

上宮の正面にまわると、バロック様式の庭園と広がっていて、庭の遥か向こうに下宮が見えます。
噴水や天使の像に彩られていて、ベルヴェデーレ（イタリア語で美しい眺め）という名前もうなずけます。

上宮も下宮も、いまではほぼ美術館になっており、上宮はクリムトを中心に、オーストリア美術のコレクションがあります。
有名なクリムトの「接吻」は黄金色に輝いていました。
また、大理石でできた各部屋の装飾も見事でした。

下宮は、オイゲン公の住居だったらしいのですが、大部分が改装のため、閉鎖中。
ミュシャ展開催中の展示室と、黄金の部屋だけ見ることができました。
プラハでミュシャ美術館に行ってきた後なので、ミュシャづいてる（？）感じ。

上の写真は「黄金の部屋」です。
鏡張りなんです、すごいでしょう。
目がちかちかしますね。

他にオランジュリーとかもあって、見たかったのに閉鎖中。
あと1週間くらいで改装は終わるようなので、残念無念。

さて、宮殿をあとにして、ウィーン中心部で軽くお昼を食べ、市電に乗ってウィーン南の森にある町「バーデン（Baden）」へ。
郊外だけれど、アクセスが簡単そうだったので、行ってみたわけです。
ここは、古代ローマ時代から温泉で知られてきた町。
王侯貴族や芸術家も訪れていたことから高級保養地になったようです。

オペラ前から出発した市電が着いた先はヨーゼフ広場。
静かで、ゆったりとしていて、郊外の町に来た実感がします。

せっかくなので、広場の周りを少し散策。
小川が流れていたり、ショッピング街があったりと、イル・ド・フランスの町々を思い出しますね。

最初のお目当ては、ベートーベンが1821年から2年間住んだという「ベートーベンンハウス」。
彼が「第九」を作ったのもここだとか。
今は博物館になっています。
中に入ると、どこからかマダムが出てきてチケットを売ってくれました。
狭い階段を上って二階に行くと、居ました！
ベートーベン！
彼自身が迎えてくれるとは。

彼が住んでいた頃の部屋を再現してあるようで、ピアノや直筆の楽譜など、ベートーベンに触れられる展示がしてありました。

メインを見終わった後は、街をぶらぶらすることに。
ドーブルホーフ公園につくと、音楽が聞こえてきました。
野外でコンサートをやっていて、しばし聞き入り。
小さな子供が、音楽に乗って踊っていたりして、なごむこと！

そのあと、公園の奥のほうが高台になっていて、いかにも「ウィーンの森」という印象があり、散策しました。
散歩道をどんどん登っていくと、街や森を一望できるところに出たので、景色を堪能。
自然に触れていると、さっきまで宮殿に居たのが何日も前のことの様に感じますね。

日も傾いてきたので駅に戻ろうとしたら、公園の出口辺りに、温泉水が吹き出ている水場を発見。
かすかに硫黄のにおいがします。

バーデンの温泉は硫黄泉で、リウマチや関節疾患に効くらしいです。
ペットボトルに水を汲んでいる人がいたので、真似をしたけれど、ニオイで飲めないし、どう使うのがいいのだろう？？

バーデンに来たのだから、本当は温泉施設などに行くべきなのでしょうが、そんな準備も余裕もなく、ウィーンに戻りました。
もう少し行くと、広い野外温泉プールが現れたらしいんですけどね。

ウィーン南駅のミニスーパーで夕食を買ってホテルに帰り、バタンキュー。
歩き回った一日でした。