映画レビュー『最強のふたり』(Untouchable)

フランスでも、日本でも話題になった『最強のふたり』
仏題は『Untouchable』。
男二人の友情を描いた映画ですね。
まさしく大ヒット中しました。

全身不随の大富豪、フィリップの世話係の面接に来た黒人青年ドリス。
彼は失業保険を得るために、とりあえず就職活動のフリをしているので、面接でも「不採用のサインをくれ」と言い出す始末。
ところが、フィリップが彼を気に入ってしまい、正式採用に。
実は前科もあるドリスだが、意外なことに真面目にフィリップの世話をする。
それどころか、破天荒な彼の性格は、だんだんフィリップや周りの人たちを巻き込んで、人間関係も温かくなっていく。
お金持ちで、クラシックを好む中年のフィリップと、失業中で、アメリカン・ソウル・ミュージックを好む青年ドリスの、一見アンバランスな友情が、小気味良く、そして感動的。

私の印象に残ったのは音楽の使い方です。

クラシックと、ソウルのわざと二人を対比するような使い方はもちろん効果的なのですが、その他のところで、なんとも切ない、不安をあおるような音楽が多用されています。

でも、別にものすごく悲しい場面や、つらい場面が、その音楽に続くわけではないのです。
フィリップの病気や、ドリスの現状には切ないものがあるけれど、起こる出来事はそれほど不幸なことではなく、むしろ、物語はハッピーに向かっていくのです。
なのに、この、誰かが最後に死んじゃうんじゃないかと思わせるような曲は、なぜ?

これは、フランス映画によく使われる手法なのかもしれません。
フランス映画を見ていると、なんだか音楽が私の中で腑に落ちないことがあるのです。
楽しい場面はより楽しい音楽を使うハリウッド大作などと比べると、違和感が残る。
でも、そこがまた、フランス映画の魅力なのでしょう。
かえって印象に残っているのですから。

途中で踊りだしたくなるほど愉快な場面あり、ウィットの効いた二人のやり取りに感心してしまう場面あり。
そして見た後、うわさ通り、軽い感動を得られる映画でした。

これが、事実に基づいて作られたと聞くと、なおさら感慨深いですね。

フランス映画にしては珍しく、全国の大きめの映画館でも上映しています。
フィリップの家は貴族の館みたいで、美術館を覗いたような気分になれるし、外の場面ではパリの情景がたっぷり。

素敵な映画でした。

『最強のふたり』
2011年製作/113分/PG12/フランス
原題:Intouchables
監督:エリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ

フランス映画映画レビュー
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